Facebookでも紹介しましたが、bravesoftのUX設計・UIデザインなどを上流工程をメインで担当する、クリエイティブ事業部総勢12名は先日、東京ミッドタウンで開催された「グッドデザイン賞受賞展2019」に参加して参りました。

メインミッションとしては、我らがbravesoftが初めてグッドデザイン賞を受賞した輝かしい「農mers」が展示されているのを見に行ったのですが、元々デザインに関する造詣が深く、デザインが好きなメンバーが集まっているので、「他の企業はどんな作品で受賞しているのか」をメンバーは目を輝かせながら見ておりました。
先々週の金曜日の話です。

そして先週の事業部会議にて、「せっかくなので、そうして見て感じた感想をみんなで言い合いましょう」と、「そして来年の2年連続受賞に向けた作戦も考えよう!」とディレクターのみなみさんが広報向けの素晴らしい案を出して下すったので、この度クリエイティブ事業部の座談会が緊急開催!その様子をお届けします!

<参加者>
司会    :高瀬
ディレクター:すけ / みなみ / あべ
デザイナー :イノッチ / ヤオ / TOM / ぺ / ゲーカー
インターン :湯崎野くん / 山本くん
オブザーバー:青木CDO


受賞作品に関して

高瀬(以下高)「では今回受賞した作品から見ていきましょう。まず2019年のグッドデザイン大賞がこちら!診断キット [結核迅速診断キット]”ですね。」

「これ見て覚えてる人います?」

一同「・・・・・」

「誰もあんま覚えてないんですね(笑)富士フィルム様が受賞したもので、結核の早期発見ができるキットのようです。“使いやすさ”と”分かりやすさ”、そして”志”、”技術”、何と言っても”デザイン”が高く評価されたようです。それでは大賞には惜しくも及ばなかった”金賞”の4作品も見てみましょう」

音知覚装置 [音をからだで感じるユーザインタフェース「Ontenna」]

あべ(以下あ)「[Ontenna]は自分で実際に付けて体験してみました。実際にハンディのある方に取ってはかなり画期的な製品だったと思います」
ヤオ(以下ヤ)「髪につけると言うのも斬新でしたね。便利だなと思いました」

自動運転バス [GACHA]
TOM(以下T)「私は[GACHA]が良かったと思いました。今まで見た事ないものなので、自分も使ってみたいと思いましたね。私は喋るのが苦手なので(笑)」
「これは写真しか展示されてなかったので実際に見たかったですね」

都会の中の実験的な「変わり続ける公園」 [Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)]
イノッチ(以下イ)「[GINZA SONY PARK]は、すごく贅沢に土地使ってんなーと思いました(笑)」
みなみ(以下み)「私も見ましたが銀座のどこにこんな土地あんのかなーって思いました(笑)」

地域包括ケア [いわきの地域包括ケアigoku(いごく)]

ゲーカー(以下ゲ)「[igoku]は私は一番印象に残った作品だったんですけど、“死”や”老い”と言ったヘビーになりがちなテーマをキャッチーなビジュアルで明るく前向きに取り扱っているのがこれまで見たことがなく、印象に残りましたね」

「フリーペーパーなんだ」
「そうですね、ミニコミ誌みたいな」
“死んでみた”みたいな?」
「そうです、そんな感じなんですけど、介護を受ける人たちとか終活をする人意外にも、実際に”介護をする人”にも向けた企画とかが新しくて面白いと思いました」

一番印象に残っている作品

「私は登戸駅のドラえもんサインです。グッドデザイン賞という名の通りで“クリエイティブ性が評価”されている気がしました。ドラえもんのキャラクターは一切出てこないんですけど、鈴とか連想させるもの押し出す事で世界観に引き込む空間デザインがいいと思いましたね。デザインの力が発揮されている気がして、こういう受賞は特別かっこよく感じました
「確かに面白いね、俺も見てみたいかも」

「私は木でできたエアコン用のリモコン]です。実際に触ってみないと分からないんですけど、要は普通のリモコンは視覚障害者には使いにくいので、そうした人たちも分かりやすく使えるのがとても新しいなと。部屋のインテリアにもなりますし」
「私もこれいいなと思いました。左から冷房・暖房・ドライになっていて、左から三つ目の写真は温度を示しているんです(下記画像参照)」
「確かにこれは面白い。こういうのが他でもできてくればいいですね」
楽しいユーザー体験も提供できるので良いと思います。こうしたユニバーサルデザインに力を入れる事は会社(三菱電機様)のブランディングにも寄与できるので良いと思いました」

T「私は超短焦点プロジェクター]ですね。これはすごいなと思いました」

山本(以下山)「僕は海外のやつで…Electronic Piggy Bankが良いと思いました。現金では無く電子マネーの貯金箱なんですけど、スマホで親がお小遣いをあげると最初縮こまっていたこの商品が伸びたり、音を出したりと、最先端だなと思いました」
湯崎野(以下湯)「自分は2つありまして…まずは防災スポーツですね。”スポーツをするように防災を学ぼう”というコンセプトが面白かったです。避難訓練などもこうやってスポーツ的要素をうまく取り入れられたら、今よりも避難訓練への意識が高まるのではないかと思いました」
「確かに面白いかも」

「2つ目はBrillia品川南大井 コミュニケーションサロン oooiですね。コンセプトがキャッチーで、かつ分かりやすいのと、シンプルに住んだら楽しそうと思いました。A3の冊子もレイアウトに凝っていて全ページ見てしまいました。 」

「君たちもしっかり見ていますね!まだ学生なのに立派!最後に青木オブザーバーから頂きましょう」

青木(以下青)Slackの受賞は面白いなと思った。特にさまざまな外部連携に特化していることや、苦なくユーザーが利用できている背景に質の良いAPIがあるって捉えると、bravesoftらしいアプローチも考えられそうかなと」

ドラえもんサイン

エアーコンディショナー用コントローラー [触りたくなるインターフェース]

slack

受賞作品の受賞傾向など全体を通しての感想

「まずは、この辺をテーマに語っていきましょう。青木さんはどうでした?」
個人的な趣味主観も含めてだけど…建築が多かった印象かな。そのなかでも“人と人とのあり方(コミュニティ)”みたいな視点で評価されている作品は多かった印象がある」
「確かに建築系はベスト100に多く入ってましたね。その中でも災害での地域活性的なものが多い印象がありました」
「”地域”や”コミュニティ”のデザインをテーマにした作品が多かったですね」
「自分も同じ印象ですね。上記でも挙げましたが、建造物の受賞が多い印象がありました」
「街づくり、地域活性化などの大きいテーマをした作品が多かったですね」
「ただ我々は家を建てるわけには行かないので…(笑)その中でアプリを使った”体験”を提供する事で、今挙がったような”コミュニディ”とかを創生していければ良いのかなと。その他の視点では何かありますかね?」

T「私の印象としては”病気を直す”とか、困っている人を助けると言う視点も重要だったかと思いましね。少数派の方に向けた作品も大事だったかなと思いました」
これからの社会を便利に変えていけるものと言う視点も重要ですね」

「爪切りとかホッチキスとか、普段何気なく使っているものにちょっと手を加えて使いやすかったり、便利にして行く視点も重要かと思いました」
「そう言う意味では個人的に衝撃を受けたのは、白と黒の消化器ですね。目立つべき筈の消化器を白と黒にするってのはかなり意表をついたデザインでしたけど、”これでいいの?”とも思いましたけど(笑)※1」

※1
ちょっと気になって調べてみると下記の記載がありました。
「消火器は、赤くて目立つことを優先につくられてきました。しかし、強調された存在は住空間に馴染まず、時間の経過とともに見えない所に隠される傾向にありました。火災の被害の抑制には、消火器を見える所に設置し、いつでも使用できることが大切です。『+ 住宅用消火器』は、住まいに調和することを重視し、上質な艶消しの白黒塗装を採用しました」

「色々な傾向が見えてきましたね。我々の事業部はクライアントワークである以上、お客様が作成したいサービスありきで色々と考えなければなりませんが、上記で挙がったような“視点”を持つ事は大事ですし、そうした提案をどんどんして行く必要性がありますね」

消化器

印象に残っているアプリや受賞傾向など

「それでは我々のフィールドとなるアプリという視点ではどうだったでしょうか?」
「アプリ単体で言うと、TABETEというアプリですね。食材の廃棄など業界的にも社会的にも問題であることを解決しているアプリで、まだ首都圏のみでしか対応できていないようですが、今後の展開などを考えていけば面白いアプリだと思いました」
「昔、これに似た問い合わせあったんだけどコンペで負けちゃったんだよね…泣」
「ただ、このサービスもまだ全国展開できてないのに受賞できたので、やはり社会課題に向き合うと言うコンセプトの部分の評価が大きいかも知れないですね」

「自分はAirレジ ハンディですね。とにかく見せ方がうまかったです。特に動画が何度でも見たいクオリティの高さで、見ていて気持ち良くなるような感覚がありました。あとはLINE WORKSもすごく良かったです。パネル、動画が印象的で、これも魅せ方のうまさがありました。メインカラーの緑を多く使っているのにしつこさがなく、インパクトにも残る作品でしたね」

「銀行や金融など、お金まわりを扱うアプリが受賞作に多い印象でした。 こういったアプリは社会課題云々よりも“使いやすさ”が評価されている印象ですね。 キャッシュレス社会化に向けて”ちゃんと使いやすい銀行系アプリ”の存在が必須だからと感じました」
「キャッシュレスのセキュリティは社会問題にもなりましたからね」
「真新しさよりも堅実さが大事ですね」
三井住友銀行のアプリも受賞してましたし、やっぱ需要としても多いかも知れませんね」

コンセプト自体が問題解決に繋がる作品が多い印象を持ちました。 デザインの本質に注目され、付加価値はあんまり評価されない感じ」
「付加価値って言うのは?」
「デザインへのこだわりとか、そう言う細部のUIなどですね。元々のコンセプトだったり、そうした部分が評価対象と思いました」

「みんなが言ってるように“課題解決”が大きいですね。ちなみに受賞アプリは全部で12製品だったようですが、その中でも金融系が多く、銀行アプリが3点、ファイナンス関連のアプリが1点でした」
「そんなに多かったんですね」

「デザインの観点で言うと、”こんなこと思いつくの?”とか、”斬新なアイデア!”というよりは、生活をよりよく便利にするような”ありそうで無かったもの”が多かったと感じました。 だからこそ、今の社会の動きを常に敏感に捉え、”キャッシュレス”や”食品ロス”などにいち早く着目し、解決策を提示したものが受賞している印象を持ちましたね」
「大学生なのにしっかりした意見ですね!最後青木さんお願いします」

「湯崎野君のいう通りでユーザーの利用している姿やシーンが想起されるような物語が重要だと思った。逆にいうと突飛(ものすごくカラフルとか摩訶不思議なアイデア)なものは少なく、 いかに自然とユーザーの生活入り込んでいくのかがポイントかな」

「我々が受賞できた農mersも、先月のインタビューでマイナビ様から色々いただいたように、後継ぎ不足などの課題解決を行えて、生活に入り込んだサービスですので、そうした部分がやはり評価されたと言う事ですね」

 

総評ー次回受賞に向けてー

「それでは次回受賞に向けての作戦を考えましょう」

「受賞した農mersもそうですけど、社会的に問題になっていることを解決していく作品が多かったので、“人の生活を豊かにするものを企画する”か、 Fincなどのように“AIなど最新技術を用いたアプリを企画するか”が必要であると思います。その上でですけど、基本的に企画メインの受賞が多かったような印象でしたが、それでも目に見えるクリエイティブでもイケてる必要はあると思いました。 プロダクト系は洗練されたものが多かったようなので」
「コンセプトも重要だけどデザインも重要だと言う事ですね」
「その中で我々が提供できるのはコンセプトありきの企画なので、良い企画を考えていきたいですね」

「世の中の課題に対するサービス自体の明快なコンセプトもそうですが、“社会がどう変わっていくか”の説明や、実際に導入したときの”サンプル”みたいな目に見えた成果を出せていれば説得力も増すし、強いかと思いましたね。先ほどのigokuでも、実際にサービスを体験したユーザーの声なども紹介できていたので、そうした説得力は強いと思いました」

「展示の際の審査評価基準で言うと、実際に触ってもらうより、動画などで流す方が効果的と思いましたね」
「どんな理由ですかね?」
「私は去年も二次審査に参加したので、他の審査作品を見たところ、明らかに動画でプレゼンする企業が去年より増えていました。やはり触っても分からないので、動画の方がわかりやすいですかね」

「審査の視点で言うと、説明資料の書き方一つにしても、今までになかった斬新な箇所(ヴィジュアル面ではなくサービス面で)をアピールできれば良いと思います。 before・afterなどの比較や、このアプリを使ったら、これからはこう世の中が変わるというわかりやすい説明。 あとは参画企業や人など、製作ストーリーが見える方が良いと言う意見も”審査視点セミナー”でも聞いていましたが、そのように”感動”を審査員の方に与える必要があるとも思いましたね」

エコロジーという視点も重要だと思いましたね。去年の対象受賞作おてらおやつクラブもそうした観点でしたし」

「なんとなく皆さんの意見がまとまってきましたね。その上で当日の視察に参加できなかったすけさんとぺさんはどうでしょう?」

すけ(以下す)「やっぱりコンセプトが重要ですね。クライアントワークなので毎回は無理ですが、そうした”社会課題解決”などの視点は持ち続けて、お客様にも提案していきたいと思いました」

ぺ(以下ぺ)「やっぱ自社製品で取りたいので…eventosをどう結びつけるかが大事かなと思います(2年連続2次審査で落選…)」
「それは永遠のテーマですね」
「今回のコンセプトに寄せる形で作戦を立てられればまだ可能性があるかも知れませんね」
「”エンドユーザーに取ってこんなに簡単に作れる”というコンセプトをもう少し伝えられたら良いかも」
「簡単さのアピールができたら良いですよね。”調整さん“みたいな」
「そういう意味では”Live!アンケート“とかいいかも。こんなに簡単に使えるというアピールもできるかと思います」

最後に

「最後に今回の討論をまとめましょう。来年の受賞に向けて大事なものを3つ定義しましょう!1つ目はヤオさんなんですか?」
課題解決”ですね。今話した通りeventosも”行列を解消”とか、そうした課題を解決してけるツールとしての説明が大事と思いました」
「1つ目は”課題解決”ですね。2つ目はなんですか、みなみさん?」
“クリエイティブ”ですね。企画やコンセプトが大事なのはありつつも、やはり我々はクリエイティブ事業部なので、尖ったデザイン・スタイリングを重要だと思います」
「最後3つ目はなんですか、あべさん」
「色々ありますが、“エコロジー”も一つ重要かと思います」
「で“課題解決”、”クリエイティブ”、”エコロジー”という視点を大事にして行きましょう。その上で来年の目標はどうしましょうか!」

一同「・・・」

「黙らないで下さい(笑)」
ベスト100!」
「”ベスト100″言っちゃう!」
「ベスト100行きましょう!」

「今年よりハードルを少し上げて、受賞のみならずベスト100に入るよう頑張りましょうか!その上でeventosで取れれば理想ですね!それでは皆さんお疲れ様でした!」


最後は六本木アジトで打ち上げ!
左手前からペ・ゲーカー・みなみ・TOM・山本くん・湯崎野くん
右手前から高瀬・すけ・青木・あべ・いのっち・ヤオ