先日行われたGoogle I/Oでさらなる情報が発表されましたが、現時点でわかっているAndroid Qの機能についてまとめて行きたいと思います。
Android Qとは
Googleが開発したOSであるAndroidのバージョン10の名称。
過去のOSにはAndroid8.0=O(Oreo)やAndroid9.0=P(Pie)などお菓子の名称がついていたがQが何になるかは不明。
今年(2019年)の秋に正式リリース予定。
https://developer.android.com/preview
(アイキャッチ画像はこちらからお借りしました)
Android Qの気になる新機能
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デバイスレベルでのダークテーマが実装
アプリ単位で設定しなくても対応したアプリならば自動でダークテーマとなります。
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システムナビゲーションの方式を選べるように!
従来の戻る・ホーム・アプリ履歴の3つのボタンがあるモード
現在のPixel3のような戻る・ホームの2つのボタンがあるモード
新しいフルジェスチャーナビゲーションモード
上記の3種類から自由に選ぶことができるようになります。 -
画面の録画機能が実装
開発者オプションで設定をONにすることで、画面を録画して保存することができるようになります。
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オフライン字幕の「Live Caption」が実装
オフライン状態でも、動画に対して自動で字幕をつける機能が実装されます。
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Google Assistantの音声認識機能が向上
新しいGoogle Assistantはオフラインで利用可能になるため、高速で文字起こしをすることができるようになり、シームレスにアプリ間をまたいだ操作が可能となっているようです。
どれほどか気になる方はGoogle I/Oの基調講演でデモが流れているので、アーカイブをご覧ください。 -
プライバシーとセキュリティが強化
いくつか例を挙げると以下のような機能が追加され、プライバシーとセキュリティが強化されています。
・位置情報の利用では「常に許可する/アプリ使用中のみ許可する/拒否する」の中から選ぶことができるようになります。
・スコープストレージ機能が実装され、アプリが機密ユーザやアプリデータにアクセスすることを防ぐことができるようになります。
・バックグラウンドからアクティビティを起動しようとすると警告が表示されるようになります。
・TLS 1.3がサポートされるようになります。 -
カメラからアクセスできるデータが増加
動的深度形式(DDF)と呼ばれるスキーマによって画像の深度データを保存できるようになります。
通常のモノクロカメラと近赤外線カメラを区別できるようになります。 -
システムの全体アップデートを必要とせずに、OS内の特定のコンポーネントをバックグラウンドでアップデート可能に!
Project Mainlineと呼ばれる新しいアプローチを用いて、最新のAOSPコードをより迅速に、そしてより長期間にわたってユーザーに提供できるようになります。
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スマートリプライにOSレベルで対応
Gmailなどで利用できているスマートリプライ機能がサードパーティ製アプリでも利用可能になります。
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ARTが最適化
ARTが更に最適化され、アプリの起動が早くなりメモリの消費量が少なくなるようになります。
その他の機能
- Focus Modeを実装
Digital Wellbeingに、ついつい起動してしまうアプリを強制的に使えなくする機能が実装されます。
また、子供の端末利用状況をチェックしたり、制限をかけることができる「ファミリーリンク」も追加されるようです。 - 5G通信へ対応
デバイスが高帯域幅に接続しているかを検出・判断することができるようになります。 - サーマルAPIが追加され、デバイスの状態を監視することができるようになる
- 折りたたみスマホのUIにOSレベルで対応
- スクリーンショットにノッチや端末の丸角を再現できるようになる
- Wi-Fiの接続をQRコードで共有できるようになる
- 共有メニューのさらなる改善によってショートカットを組み込めるようになる
- ホーム画面からアイテムを削除した際にそのアクションを1つ戻すことができるようになる
- Wi-Fiのパフォーマンスモードが追加
- RTTによる正確な屋内測位用のAPIが標準実装
- 新しいビデオコーデックAV1をサポート
- Vulkan 1.1とANGLEをサポート
- ニューラルネットワークAPIが1.2にアップデート
まとめ
全体的には特にプライバシーとセキュリティ機能が強化され、更にAIを使った各種機能が強力になったといった印象です。
個人的にはダークテーマの実装・画面の録画機能の実装・ARTの最適化辺りが非常に嬉しいと思います。
比較的初期からAndroidを使用していますが、アップデートを重ねるごとにどんどんと良くなっていくのは嬉しいですね。
また、現時点ではAndroid Qはまだ「ベータ3版」なので正式リリースまでに更にどのような変更が加わるか楽しみです
【参考】
・Android Q の機能と API|Android Developers
・Android Q Beta3以降の新機能|Android Developers Blog
・Android Q ベータ版|Android Developers