はじめに
顔を会わせることなく情報交換やコミュニケーションが問題なく行えるソーシャルチャットアプリは今や日常生活で欠かせないツールとなっています。
そこで、今回初ブログのテーマとして日本と中国のアクティブユーザー数TOP1のチャットアプリを比べて紹介させて頂ければと思います。
1.カンタンな紹介
日本で最も使われているソーシャルチャットアプリと言えば、それはもちろん「LINE」です。
LINEの登録ユーザー数は世界で5億6000万人、実際に利用しているアクティブユーザも1億7000万人います。
「LINE CONFERENCE TOKYO 2014」(2014年10月9日)
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2014/844
中国でよく使われるソーシャルチャットアプリは「wechat(微信ウェイシン)」です。「LINE」と同じ無料メッセージと通話機能を持ち、アクティブユーザー数も4億人以上います。
WeChat(微信)の月間アクティブユーザ数が4億6800万人に届くも成長率は急減速
WeChat(微信)のユーザ数が6億人を突破
2.共通点
無料メッセージと通話サービスなど、LINEとWeChatはほぼ同じ機能を実装しています。
- 友達追加⇨QRコード・ふるふる・IDで検索
- グループ作成
- チャット⇨文字/ボイスメッセージ・スタンプ・写真・ビデオ・位置情報・連絡先など
- 公式アカウント
- タイムライン
- …
ソーシャル機能だけではなく、より広い用途で利用できるLINE PayとLINE TAXIは時代の要望に答えて生まれました。一つのアプリで予約から支払いまで行えるので、生活はこれからますます便利になるでしょう。
実は中国ではLINE Payが公開されるより前に、WeChat電子財布というサービスが存在し、若者を中心に既に広く使われています。
3.WeChat電子財布
WeChatを利用しているメインユーザーは新しいモノに敏感な若者たちです。この財布機能の公開後、またたく間に人気になりました。
1.飲み会等の会費連絡(割り勘)
食事の会計などで一括して払った人から一緒にいた友達に「お金をください〜♪」のメッセージを送信する事ができます。「飲み会・出かける・一般」などのテーマを選んで、人数・総額・備考を入力後、選択した友達にメッセージをカンタンに送信できます。
2.お年玉
2014年の中国の旧正月にはお年玉機能が公開されました。総額と設定した人数内でランダムにお年玉を配るオプションもあり、もらえるお年玉の金額を統一できるオプションもあります。大人から子供へのお年玉だけではなく友達同士で小額のお金を送りあったりして遊ぶ若者もいました。お年玉をもらった人はタイムラインで公開して盛り上がれます。
WeChatのお年玉機能を利用して子供に本当のお年玉をあげる親たちもいます。
3.タクシー予約
WeChatではDidi Dache社と提携したタクシー予約サービスを導入しています。タクシーを利用したい時に現在地と目的地を送信すると、その情報がタクシー予約サービスを利用しているタクシードライバーのもとに届きます。
タクシードライバーは自分の状況を考えてお客様を選ぶこともできます。タクシードライバーが対応可能なメッセージをもらった後、アプリで「引き受ける」ボタンを押す事でユーザーに返事ができます。「引き受ける」ボタンを押すドライバーが複数いる場合、一番早く応答したドライバーのみメッセージに返信する事が出来ます。予約した後キャンセルもせずに無視するユーザーは信用を失います。設定された件数以上の不正記録がある場合ユーザーは予約する資格を失います。
サービスの導入初日の呼び出し件数は2万件、WeChatでの支払い件数6000件を超えました。一ヶ月後毎日平均件数は中国全国で183万を超え全体でWeChatでチャージした件数は2100件です。
3.その他
上記の他に、以下のサービスも提供しています。
- 電話代支払い
- 宝くじ購入
- 寄付・募金
- 映画チケット購入
- クーポン券の購入
- 航空券・列車チケットの購入
- など…
出かける必要もなく他のアプリをダウンロードする必要もないWeChatは生活をより面白くより便利にしてくれます。
4.今後の発展
膨大なスタンプマーケットを持っているLINEはかわいいだけではない、より多くのまだ見た事の無いようなキャラクターを世界に生み出すチャンスをクリエーターに提供しました。LINE社は他社製サービスと連携するための技術資料をあまり公開していません。そのためひとつの会社の力だけで魅力的なサービスと便利な機能を提供し続けるという難しい課題に直面しています。
逆に、中国で活躍しているWeChatはアカウント接続機能から様々な他社サービスをアプリ内に導入することで、業界に向けて開発者が望んでいるいろんなAPI資料などを公開しました。WeChatに選ばれてWeChatアプリにサービスが導入されるという事は数億のアクティブユーザーを手に入れるということを意味します。
(WeChatの開発用公式サイト)
自社にとどまらず他社と連携する事を選んだWeChatはいつのまにか業界の発展にも貢献をする結果となりました。
あるHTML5で作られたゲームはWeChatの「朋友圈」(=LINEのタイムライン)で共有されるやいなや恐ろしいスピードで拡散していきました。そのゲームの開発者が大きな収益を上げたことにとどまらず、HTML5で作られるゲーム・公式プロモーションサイトなどがあっという間に作られ、WeChat側にもHTML5のページへのアクセスが殺到しました。
2015年1月WeChatは11種類のAPIが含まれているWeChat JS SDKを公開しました。WeChatとの連携機能を利用したい開発車はSDKを利用してサービスを作る事ができます。サードパーティとの協力によってこれまでにない環境を提供する事ができています。
5.最後に
LINEとWeChatに限らず、すべてのアプリとサービスは自国の文化・業界の方向とつながっています。ソーシャルチャットアプリも今のアクティブユーザー数に満足せずもっと多くの業界・世界の広い領域でチャレンジしていくと思います。
これからLINEとWeChatはどんな道を踏み出すのか、とても楽しみですね!
そしてこのような革新的なアプリ開発をお考えの方はぜひ当社までお問い合せください。お待ちしております!