長いことサーバサイドと言いますか、WEBページの開発経験を行なってきたエンジニアの私ですが、その経験の中で、時にはサービスのグロースハックも行ってきました。グロースハックの大まかな流れはA/Bテストを基軸とした検証内容をフロントエンジニアと企画とを含めて話し合い、次なる施策の考案・実装をしていくというものでした。

日々成長 = グロースハック

日々成長を目標とするとグロースハックは必須になってきます。とりわけ短期でそれなりの効果を得やすいA/Bテストは色々な意味で重宝いたしました。主な検証内容はある程度パターン化されており、文字の大きさや色、ナビゲーションの位置、会員登録の位置や表示方法などの見直しです。


これはその時検証したい内容に合わせてデザインのパターンをいくつか用意し、その中から無作為に何パターンかを取り出して一定の期間、どのパターンの方が効果が高いか確かめるという事をトーナメント方式で行なっていきます(この時、私のチームでは必ず 各検証パターンが平等な対戦数を行えるパターン数に揃える事を心がけました)。

最強の A/B テストツール Google Optimize の登場

長い事、この検証作業の仕組みを自前で実装していたのですが、2017年の初頭に Google 製の A/B テストツール Google Optimize が無料公開されました。
メールを登録して置けば、用意が出来次第登録メールを送ってくれるシステムだったのですが、結局そのメールが届く前に無料公開されてしまいました(嬉しいことではありますが)。
Google 製ということもあり、他の Google サービスとも相性が良いです。とりわけ Analytics との相性は抜群で、どちらのテスト内容がコンバージョンの達成率が高いかということが簡単に検証できます。

クイックにハックし続けるためのに

検証の設定の仕方はここでは深く掘り下げませんが、ここではいくつかA/Bテストを行なっていて気づいた事を一つ紹介させて頂きたいと思います。
曜日によって利用度に差が大きいサービスに対してA/Bテスト行なっていたのですが、当初は1週間ほどの検証期間を用意しておりました。ですが、いくつかテストを行なっているうちに最も利用度の高い曜日を丸々1日を含めた検証期間で十分という事に気がつきました。アクセス数が多い曜日で出た検証結果が、その他の曜日で覆ることはまず起こらず、他の曜日で割合が逆転したとしても絶対的なアクセス数の差から考慮に値することはまずないからです。
このため2パターンのみのテストの場合は1週を待つことなく検証と次の施策を作る時間を得ることができ、非常にクイックに施策を回せるようになりました。同時に4パターンくらいの施策候補ならば 1vs1 のトーナメントを用意するのではなく、 1vs1vs1vs1 で行い、検証期間のさらなる短縮に努めました。

このようにA/Bテストはグロースハックの基本と言える部分でありながら最もスピーディーに行えるハックの技法と言えると思います。

こんなことってよくありませんか?

このA/Bテストですが他に一つ重要な利点がありまして、「思いつきの様な」提案をいただいた時に「では現状のものとA/Bテストで検証してみましょう」と提案できる事です。結果が振るわなかった時には「やはり現状のままの方が効果が良いようです」と提示でき、案外良い結果が出た場合は「貴重なご意見ありがとうございました」とお互い気持ちよくプロジェクトを進めていけます。