bravesoftにて受託開発を行うDX UNITの取り組みを、どのように実現していくかを紹介する本コーナー「DX事例紹介」、第5回目は進行中のプロダクトが佳境を迎え、結合テストを行えるタイミングもしくはストア公開された状態でDX UNITメンバー全員でアプリやWEBサービスのチェックを行う、「プロダクトレビュー」に関してご紹介させて頂きます。
プロダクトレビューとは?
DX UNITはクライアントの要望に沿った形で、プロダクトの制作を早ければ企画の段階から一緒にスタートさせ、要件定義〜デザイン〜設計〜開発〜テストまでを行います。
また、プロジェクトの規模によって人数は異なりますが、一般には全体を管理するプロジェクトマネージャー、現場の進行管理を行うディレクター、デザインを担当するデザイナー、開発面の設計などを行うシステムエンジニア、そして実際にプログラミングを行うプログラマーのチームを結成し、そのチーム内でプロジェクトを完遂させるのが一般的なアプリやWEB開発の流れとなります。
しかしながら、bravesoftの受託開発においては、このプロジェクトチームで作成したプロダクトを、UNITメンバー全員でレビューを行います。
何故、このような形で全員でレビューを行うかをDX UNIT、Next Innovation事業部の古岡部長に答えて頂きました。
古岡
現在DX UNIT全員でプロダクトレビューを行うのは2点、理由があります。
まず1点目の理由はプロジェクト外のメンバーからの目線を入れる事で、新たな視点の気づきをもたらす事です。
プロジェクトチームはものによっては半年〜1年くらいをかけるプロジェクトもあり、色々な仕様変更などの苦楽を共にする事でクライアント目線になってしまい、得てして視点が凝り固まってしまいう事も時として発生してしまいます。
ですので、それまでの経緯を知らない第三者の視点で「この機能はこうした方が良いんじゃない?」ですとか、「これは不要なのでは?」と言うフラットな意見を聞く事が可能となり、よりユーザー目線でプロダクトを見る事が可能となります。
そして2つ目の理由は共有により社内のノウハウを蓄積する事です。
違うプロジェクトチームで作ったプロダクトに関して知らなくて良い、と言うのは非常に勿体ないので、同じ部署の違うメンバーが作成したサービスを深く知る事で、ディレクター目線であれば「この機能は**のプロダクトで使用していた」などの提案をクライアントにする事が可能になりますし、エンジニア目線では「この機能はこういう方法で創れるんだな」などの知識を得る事が可能となり、それが今後に活きてくるんです。
ですので、レビューの時間は正直発生してしまうのですが、この取り組みで得る事は大きいと思っていますので、これからも継続して行きたいと考えております。
プロダクトレビューの観点
プロダクトレビューに関してはUXデザインの業界でスタンダードとして利用されている評価方法の一つ「UXハニカム」の観点よりレビューを行なっております。
UXハニカム(User Experience Honeycomb )
Useful |
ターゲットとなるユーザーのニーズを満たせているか
|
Credible |
信頼感があるか
(最新か、誤字脱字がないか、権限やポリシーなどがわかりやすいか、クラッシュしないか) |
Usable |
使いやすい画面設計・導線設計・機能設計を実現できているか
|
Findable |
項目が見つけやすいか
|
Desirable | 好感が持てるか |
Accessible |
音声読み上げ、文字サイズ変更、背景色変更ができるか
|
参照元:株式会社アーティス様「優れたユーザーエクスペリエンスを実現するためのUXハニカム」
https://www.asobou.co.jp/blog/web/ux-honeycomb
プロダクトレビューの方法
まずはプロジェクト完了のタイミングで、下記のような形でテンプレートを担当ディレクターが用意します。
下記のような形で「アプリ名」「クライアント」「開発背景」「アプリ説明」「確認方法」「注意事項」を記載し、不明点があった際の問い合わせ担当をプロジェクトメンバーに設定します。
そして期日を定め、下記のような形でチェックを行いますが、
ここで選択・記載するのは「回覧チェック」「Good」「Motto」の3点となります。
「回覧チェック」は現在は3段階で評価しております。
「アメイジング」「エクセレント」「ワォ〜」の3段階となりますが、チェック後の忌憚の無い意見を綴ります。
そして前述のUXハニカムの観点を参考に、プロダクトを操作してみて「良かった(Good)」と感じた点と、「今ひとつ(Motto)」と感じた点をそれぞれ最低3つ記載します。
内容は伏せますが、下記のような形で各担当がプロダクトに真剣に向き合い、
使用して気づいたGood、Mottoをなるべく多く出すような形で意見を集めます。
そして最後に、プロジェクト担当は頂いた意見を集約させてまとめます。
その上で、参考となったアドバイスを頂いた社員に対して感謝のメッセージを伝えるのを一連の流れとしています。
社内でのプロダクトレビューに関しては以上までが流れとなりますが、
ここでこうしてレビューを行なった結果は、クライアントにフィードバックを行います。
社内でメンバーが見て、このような意見が挙がったとクライアントにお伝えする事で、
実際にサンプルモニターがチェックしたのと同等、むしろUXハニカムの観点を持っているので「より正確なリサーチデータのフィードバック」をお伝えする事が可能となります。
その結果、こうしてフィードバックをお出しさせて頂き、多くのメンバーが挙げた意見をクライアントがバージョンアップの際に対応するなどのサイクルも生んでおります。
プロダクトレビューがもたらす効果
最後に、プロダクトレビューがもたらす効果をDX UNIT統括 / 取締役CDOの青木にお答え頂きました。
青木
これまでにも何度かお話させて頂いておりますが、受託開発において「プロダクトを作って提供して終わり」という時代はもう終わったと思っておりますし、「クライアントの要望にひたすら応える」と言うのも今の業界においては全時代的であると考えております。
このプロダクトレビューに関しては、時としてクライアントに対して厳しい意見もお伝えする事もありますし、それを伝える事で関係性に歪みが出てしまう事も何度かありました。
しかしどうでしょう?
この取組を行うようになってから、お出しした意見に対し、
改修をご検討いただくきっかけとなり、プロダクト改善のサイクルが増えることも多くなっております。
我々はアプリ・WEB開発のプロフェッショナルであると考えており、任せて頂いている以上、先方の期待を超える「120%」「150%」、更なる上を目指してのプロダクト提供をこれからも行って参ります。