今年も残すところ1ヶ月を切り、1年の早さに驚きを隠しきれないkittyです。
さて、今回はアプリで取得したデータを活用するためのポイントをお話しようと思います。一般的に「データ分析」なんていうと、統計的手法を用いたものを想像されるかもしれませんが、ここではそのような専門性の高い分析は対象としませんのであしからず。
どんなツールがあるの?
アプリの分析ツールですが、それはもう様々なものが出ています。
例えば、DL数やランキング・売上げ・検索キーワードなどを管理できるAppAnnie、ユーザー数やセッション数・滞在時間・離脱率などのユーザーの動向分析ができるGoogleAnalyticsやFlurry、広告を打った時の効果を測定できるF.O.XやAdStore Trackingなど、シーンや目的によって異なるツールを利用します。
1.データを分析する目的を明確に
いろんなツールで各種数値を取れることは分かったけれど、いくらDL数や滞在時間を正確に把握したところで、それらの数値を使って何をしたいのかがはっきりしていなければ、何にも活かされません。
無料で使える高機能なツールがたくさんあってアレもコレも‥となってしまったり、数値を取得したことに満足してしまっては本末転倒ですよね。 データを眺めるだけでは意味がなく、目的を絞って次のアクションに繋げることが大切なのです。
2.データは分解すること
データを読む目的は、もちろん全体像を把握するためもあるのですが、
1.でも述べた通り、その先のアクションに役立つ情報を抽出することが重要です。
すべてのデータを眺めて全体像だけがわかっても、次にどのような手を打つべきかが見いだせなければ意味がないでしょう。 そしてその為には、知りたい項目ごとにデータをさまざまな視点で分けてみる必要があります。
逆に言うと、どのデータとどのデータを組み合わせるとどんな示唆が得られるのか/どのデータを向上させれば目的が達成できるのかを理解し、そのデータを取得していく必要があるということです。
3.同じ前提で比べること
目的をはっきりさせて、それに関連する数値を取得し、さあこれからデータを分析しよう!という段階。どのようにデータを読んでいけば良いのでしょうか。
あるサービスで、ユーザーに満足度調査を行い、70%の人が満足していると答えたとします。これは良い結果ですか?それとも悪い結果ですか? 7割の人が満足しているのだから良い結果だという考えもあるかもしれませんが、前回の満足度調査で満足度が80%だったとしたらどうでしょう‥? 前回の調査と比べて満足度が10%も減少しているのだから決して良い結果とはいえないですよね。同じデータでも、以前からの『変化を見て』、他サービスと『比べてみる』と捉え方が違ってくるかもしれません。 また、調査の対象がある経路からきたユーザーだったとか、性別や年代が偏っていたなんて場合も、それらを単純に比較することはできないでしょう。 当然のことながら、データを比べる時には同じ前提に立ち、同じ項目や設定で得られたデータを比べる必要があるのです。
4.仮説と検証を繰り返す
先ほどの満足度調査において、前回と今回で同じ前提で行っていた場合に、満足度の低下の原因はどこにあったのか。今回の調査までの間にいったい何があったのか考えてみる必要があります。
サービスの内容をがらりと変えた、逆にまったく提供内容が更新されなかった‥もしかしたら内部は何も変わっていないけど、競合や市場(外部)の動きによる影響かもしれませんね。
現状を分析して問題点を洗い出し“これを行えばこうなるはず”という具体的なアクションにつながる仮説を立て、実行に移し検証していく。 仮説の精度は低くても構いませんが、しっかりと立ててみることが大切です。
サービス改善のためには、このようにひたすらPDCAを回していく訳ですが、どの根拠からどんな仮説を立て、施策を行った結果がどうだったのか、どんな気づきがあったのかをぜひドキュメントにでも残していってもらえればと思います。
そしてその際には必ず前提条件を記載しておきましょう。 世の中には様々なデータが溢れかえっていて、信用できるデータもあれば信用できないデータもあると思います。プロモーションでよく使われている満足度99%!!なんて思わず本当?って、疑いますよね。たいていの場合は、これらも全くの嘘ということはないと思います。じゃあ本当なのか、というとこれも語弊があります。 なぜなら『前提条件が異なる』から。信用できると思われるデータも信用できないと思われるデータも、ある“一部を切り取ったデータ”には違いないのです。
だからこそ、どういう条件下でのデータなのかを理解し、記載しておく必要があり、上司やお客様への説明時などにはうまく使い分ける必要が出てくるわけです。
まとめ
あまりにも基本的なことを書いてきましたが、この当たり前なことがしっかりと出来ているかどうかで成果は変わってきます。成長している企業=データを活用し、改善を続けている企業といえるでしょう。ぜひみなさんもサービスの改善に役立ててみてくださいね。