今年の2月に発売されたModern PHP: New Features and Good Practices を読んでみました。

Modern PHP: New Features and Good Practices

著者(Josh Lockhart)について

PHPの初心者向けのガイドとして有名なPHP the right wayの発起人です。
Slim FrameworkというWAFの作者でもありPSRを制定しているPHP-FIGのメンバーでもあります。

現在このタイトルで本を書くのにもっとも相応しい人物といえます。

感想

PHPを使ったサービスを提供する上でのごく基本的な内容は網羅されています。
PHPの基本的な文法に関する説明は一切ありません。

PHP the right way ではキーワードのみが羅列されているだけの項目についても具体的なコードを用いた説明がなされています。とはいえ各々の項目は分量が少ないことにはかわらないので、本書の記述を参考に詳細は自分で調べるというやり方が必須ではないかと思います。

他のプログラミング言語をすでに習得している人がPHPをとりまくエコシステムについてざっと理解するには最適だと思います。

PHPを最初に触った時にこの本の日本語版があったら学習がかなり捗ったのではないかと思いました。

内容について

以下内容の簡単なまとめです。

Language Features

PHP 5.3以降に他の言語から取り入れたモダンな文法 namespace, traits, generators, closures の説明。
built-in opcode cache built-in HTTP serverの説明。

Standards

Frameworkの乱立を背景に生まれたPHP Framework Interop Groupの説明。
結果生まれたPHP standartds recommendation(PSR-1~4)の説明。

Components

composerの使い方とcomponentの作成方法についての説明。

Good Practices

入力値のSanitize, Validate and Escape, password_hash, DateTime, PDO,
Multibyte Strings, Streams, Exceptions, Monolog の説明。

データベースのアクセスにはPDOを使いましょう、とかパスワードの保存にはpassword_hashを使いましょうなどの現代では常識となってる書き方について説明しています。

Deployment, Testing, and Tuning

サービスの実行環境を作るのに必須な項目について扱っています。

Hosting

VPS, IaaS, PaaSについて簡単に触れています。

Provisioning

黒い画面で行う作業(ssh, PHP-FPM, nginx)について簡単に触れています。

Tuning

PHP.iniの設定について。

Deployment

バージョン管理ツールやデプロイツールの使い方について触れています。

Testing

要するにPHPUnitの説明です。

Profiling

XdebugとXHProfの使い方やその他のプロファイラの存在について軽く触れています。

HHVM and Hack

Facebookが開発したHHVMとHack Languageについて

Community

英語圏のコミュニティーについてのまとめです。